
こんにちは!所沢いそのクリニック院長の磯野誠です。
クラミジアは日本で最も感染者数の多い性感染症のひとつです。
感染しても約70〜80%の女性は自覚症状がなく、気づかないまま悪化させてしまうことがあるため「沈黙の感染症(Silent Infection)」とも呼ばれています。
しかし、症状が現れることもあります。
今回は、特に女性が注意してほしいクラミジアの初期症状3つを泌尿器科専門医が詳しく解説します。
当てはまる症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
クラミジアとは?「沈黙の感染症」と呼ばれる理由

クラミジア(性器クラミジア感染症)は、Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマティス)という細菌による性感染症です。
主に性行為によって粘膜から粘膜へと感染し、膣・子宮頸部・尿道などに炎症を引き起こします。
クラミジアが「沈黙の感染症」と呼ばれる理由
女性感染者の約70〜80%は自覚症状がほとんど現れません。
症状が出ても軽微で、他の体調不良(膀胱炎・おりもの異常など)と混同されやすいため、発見・治療が遅れるケースが非常に多い感染症です。
症状がないからといって放置すると、感染が子宮・卵管・骨盤内臓器へと広がり、深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。
早期発見・早期治療が最も重要です。
女性に現れるクラミジアの初期症状3つ

異常なおりもの(膣分泌物の変化)
クラミジアに感染すると、膣内で炎症が起き、おりもの(膣分泌物)に変化が現れることがあります。
具体的には以下のような変化に気づくことがあります。
| 変化の種類 | 具体的なサイン |
|---|---|
| 色の変化 | 黄色・黄緑色・緑色になる |
| 量の変化 | 普段よりおりものが増える |
| においの変化 | 普段と異なる強いにおいがする |
| 性状の変化 | どろっとした粘りが出る |
おりものの変化は細菌性腟症やカンジダ症など他の疾患でも起こるため、自己判断はせず、必ず医療機関での検査を受けることが大切です。
排尿時の痛みや灼熱感
クラミジアが尿道に感染すると、おしっこをするときに痛みや灼熱感(ひりひりした感じ)が現れることがあります。これは男女共通の症状ですが、女性は膣と尿道が解剖学的に隣接しているため、感染が尿道にも広がりやすいという特徴があります。
排尿時の痛みは膀胱炎の典型症状でもあるため、「また膀胱炎かな」と自己判断してしまうことが少なくありません。しかし、クラミジアは抗菌薬でも治療できますが、膀胱炎とは異なる薬が必要です。自己判断せず、検査を受けて原因を特定することが重要です。
下腹部の痛みや重い感じ
クラミジアの感染が膣・尿道から進行し、子宮・卵管・骨盤内の臓器に炎症が波及(骨盤内炎症性疾患:PID)すると、下腹部に重い痛みや鈍痛が現れることがあります。
この症状は、炎症が深部に及んでいるサインです。性交時の痛みを伴う場合もあります。
下腹部痛が現れている場合、感染が骨盤内に広がっている可能性があります。このまま放置すると、卵管の炎症・癒着が進み、不妊症の原因になることがあります。月経痛や過労と混同せず、早急に受診してください。
放置するとどうなる?クラミジアが引き起こすリスク

クラミジアは適切な抗菌薬治療で完治できる感染症です。
しかし、症状がないからといって放置し続けると、以下のような深刻な合併症につながることがあります。
| 合併症・リスク | 内容 |
|---|---|
| 骨盤内炎症性疾患(PID) | 子宮・卵管・卵巣・腹膜に炎症が広がり、強い下腹部痛・発熱が起こる |
| 不妊症 | 卵管が炎症・癒着して卵子の通り道が塞がれ、妊娠しにくくなる |
| 子宮外妊娠リスクの増加 | 卵管の炎症・変形により受精卵が卵管内に着床してしまうリスクが上がる |
| 慢性骨盤痛 | 繰り返す炎症により、長期にわたる骨盤・下腹部の慢性的な痛みが残ることがある |
| パートナーへの感染 | 無症状のまま性行為を続けることでパートナーにも感染させてしまう |
💡早期治療のメリット
クラミジアは早期であれば、1〜2週間程度の抗菌薬(アジスロマイシンやドキシサイクリン等)の内服で完治できます。進行してからでは治療が長期化し、合併症の影響が残ることもあるため、疑わしい症状があれば早めに受診することが大切です。
こんな方は定期検査を

クラミジアは自覚症状がなくても感染している可能性があります。以下に当てはまる方は、定期的な検査を検討してください。
- 性的活動がある方(特に複数のパートナーがいる場合)
- コンドームを使用しない性行為の機会がある方
- パートナーが性感染症と診断された方
- 妊娠を希望している方・妊娠中の方
- おりものや排尿に気になる変化がある方
性的活動がある方は、症状がなくても年1〜2回の検査を受けることが、自分とパートナーの健康を守るために非常に有効です。
よくある質問

Q. クラミジアの症状がないのに感染していることはありますか?
A. はい、非常によくあります。女性の約70〜80%は感染していても自覚症状がほとんどありません。
「症状がないから大丈夫」と思い込まず、心配がある場合は検査を受けることをおすすめします。
Q. クラミジアの検査はどこで受けられますか?
A. 泌尿器科・婦人科・産婦人科・性病科で受けられます。所沢・東所沢・入間・狭山・東村山・清瀬・志木・富士見・ふじみ野・川越エリアの方は、所沢いそのクリニック(埼玉県所沢市東所沢2-24-8)でも検査・治療が可能です。
プライバシーに配慮した環境で受診いただけます。
Q. クラミジアはどのように検査しますか?痛いですか?
A. 女性の場合、子宮頸部からの綿棒による拭い検査(核酸増幅法)または尿検査が一般的です。
尿検査の場合は採尿するだけのため、ほとんど痛みはありません。綿棒検査はわずかな違和感がある場合もありますが、すぐに終わります。
Q. クラミジアは治りますか?
A. はい、適切な抗菌薬治療で完治できます。
一般的にはアジスロマイシン(1回内服)またはドキシサイクリン(1〜2週間内服)が使用されます。
ただし、治療後も再感染することがあるため、パートナーも同時に検査・治療を受けることが大切です。
まとめ

今回は、女性のクラミジア感染症における要注意な初期症状3つについてお話ししました。
| 初期症状 | 特徴・注意点 |
|---|---|
| ① 異常なおりもの | 色(黄・緑)・量・においの変化。他疾患との区別が必要 |
| ② 排尿時の痛み | 灼熱感・ひりひり感。膀胱炎と混同されやすい |
| ③ 下腹部の痛み | 骨盤内炎症のサイン。放置すると不妊症の原因に |
クラミジアは「沈黙の感染症」と呼ばれるほど無症状のことが多い一方、放置すると不妊症・骨盤内炎症性疾患・慢性骨盤痛などの深刻な合併症につながります。
上記のような症状がある方、または性的活動があり心配な方は、恥ずかしがらず早めに泌尿器科・婦人科に相談してください。
早期発見・早期治療が、あなたの将来の健康を守ることにつながります。


