所沢いそのクリニック院長の磯野誠です。
「泌尿器科に行ったら、いきなりお尻に指を入れられるんじゃないか」
健康診断でPSA値が高いと指摘されたのに、こんな不安から受診を先延ばしにしていませんか?
実は、これは多くの男性が抱えている大きな誤解です。
前立腺がんの検査には明確な「順番」があり、最初の受診で行うのは採血だけです。
この記事では、泌尿器科を受診したときに本当に何をされるのか、検査の流れを順番に詳しく解説します。
なぜ受診をためらう男性が多いのか
日本人男性のがん罹患数の第1位は前立腺がんです。
毎年9万人以上が新たに診断されています。
それにもかかわらず、PSA値の異常を指摘されてから実際に受診するまでに半年から2年以上かかる方が珍しくありません。
所沢いそのクリニックの外来でも、次のような言葉をよく耳にします。
「先生、正直に言うと、その検査が怖くて1年以上来られなかったんです」
このためらいの正体のほとんどが、「直腸診(お尻に指を入れる検査)が怖い」という一点です。
しかし、この記事を読み終えるころには、その怖さの方向性がずれていたことに気づいていただけるはずです。
直腸診とはどんな検査か
直腸診とは、医師が手袋をはめた指を肛門から直腸内に挿入し、直腸の壁越しに前立腺の状態を確認する検査です。
なぜ肛門から調べるのか
前立腺は膀胱のすぐ下・直腸のすぐ前に位置しています。
この解剖学的な位置関係から、肛門から指を入れると直腸の薄い壁越しに前立腺に触れることができます。
直腸診でわかること
| 確認項目 | 正常 | 異常の可能性 |
|---|---|---|
| 大きさ | 適正 | 肥大(前立腺肥大症) |
| 硬さ | 柔らかい | 硬いしこり(がんの疑い) |
| 表面 | 滑らか | 凸凹・不整(がんの疑い) |
また直腸診は前立腺だけでなく、痔の有無や直腸がんの早期発見にも役立つ、守備範囲の広い検査でもあります。
日本泌尿器科学会のガイドラインでも、PSA検査と並んで前立腺がん診断における重要な検査として位置づけられています。
直腸診の実際──10秒で終わる検査の中身
「お尻に指を入れる」と聞くと身構えてしまうのは当然です。しかし実際の検査は、多くの方が想像するよりずっとシンプルです。
検査の流れ
- ズボンと下着を少し下ろす(全脱衣は不要)
- 診察台に横向きに寝て、膝を胸に引き寄せる姿勢をとる
- 医師が手袋をはめた指をゆっくり挿入する
- 所要時間:約10秒
感じる感覚
- 少し押される感覚
- 尿意に似た感覚(前立腺が膀胱の近くにあるため)
尿意に似た感覚があっても、実際に尿が出ることはありませんので安心してください。
痛みについて
痛みを感じる方がゼロというわけではありませんが、痛ければその場で医師に伝えれば即座に中止します。
無理に続けることは絶対にありません。
医師にとっては日常診察の一部
「こんな検査をさせて申し訳ない」と気にされる患者さんも多いのですが、医師にとってこの検査は聴診器で心音を聴くのと同じくらい日常的なものです。
特別なことは何もありません。
直腸診の限界と正しい使い方
直腸診は重要な検査ですが、大きな限界があります。
医師の指が触れられるのは前立腺全体のごく一部(後ろ側)だけです。
前立腺がんはあらゆる方向に発生するため、直腸診で「異常なし」と言われても、がんが存在しないことの証明にはなりません。
実際に、直腸診では異常が触れなかったのにPSA値が高く、精密検査でがんが見つかるケースは珍しくないのです。
直腸診が最大の力を発揮する場面
- PSA値が高い場合の補完情報として
- 排尿症状など何らかのサインがある場合のリスク評価として
逆に言えば、症状もなくPSAも正常な方に対して、スクリーニング目的だけで直腸診を行うことは推奨されていません。
「受診したら最初から全員がお尻に指を入れられる」というイメージは、医学的な実態とは大きくかけ離れています。
前立腺がん検査の正しい順番
ここが最も重要なポイントです。
✅ 泌尿器科を受診したときの実際の流れ
① 採血(PSA検査)
↓
② PSA値が高い場合 → MRI検査
↓
③ さらに必要な場合 → 前立腺針生検
↓
(状況に応じて)直腸診
最初の検査は採血だけです。
PSA検査とは
前立腺特異抗原(PSA)を血液で調べる検査です。
前立腺に炎症やがんがあると、このPSAという物質が血液中に多く分泌されます。
採血だけで前立腺の異常を評価できる、体への負担が少ない検査です。
- 基準値:一般的に4.0 ng/mL未満(年齢や施設により異なる)
PSA検査についてのより詳しい解説は、所沢いそのクリニックのYouTubeチャンネルもあわせてご覧ください。
MRI検査とは
放射線を使わずに体内を詳しく映し出す検査で、前立腺がんの疑いがある部位を特定するのに非常に有効です。
近年では生検の前に必ず実施する医療機関がほとんどです。
前立腺針生検とは
前立腺に細い針を刺して組織の一部を採取し、がんの有無を細胞レベルで調べる確定診断のための検査です。
放置すると何が起きるのか
PSA値の異常を指摘されながら受診を先延ばしにすることが、実は最大のリスクです。
早期発見した場合
| ステージ | 状態 | 5年生存率 |
|---|---|---|
| 限局性(前立腺内にとどまる) | 手術・放射線で根治を目指せる | ほぼ100% |
進行・転移した場合
前立腺がんは進行すると骨に転移しやすいがんです。骨転移が起きると:
- 背中・腰・股関節の慢性的な強い痛み
- 骨折リスクの上昇
- 完全治癒ではなく「がんとの長期共存」を目指す治療へ移行
半年・1年の先延ばしが、治療の選択肢を大きく狭めることがあります。
受診を迷っている時間が、最ももったいない時間です。
初めての泌尿器科受診──何をすればいいか
初めての受診は、思っているよりずっとシンプルです。
受診当日の流れ
- 受付・問診票の記入(所沢いそのクリニックではWeb問診にも対応しています)
- いつ頃から症状が気になっているか
- 健康診断でどんな指摘を受けたか
- 診察室で症状の確認
- 採血(PSA検査)
- 結果の説明(数日後)
PSA値が基準内であれば「問題ありません。半年後にまた来てください」で終わることもあります。
受診のハードルを下げるポイント
- かかりつけ医でもPSA検査は受けられます
- 予約時の一言は「PSAが高いと言われたので診てほしい」だけで十分
- 最初の受診で直腸診や精密検査が行われるとは限りません
「まず数値だけ調べてもらいに行く」という気持ちで大丈夫です。
所沢市・入間市・狭山市・富士見市・ふじみ野市・川越市など埼玉西部や、清瀬市・東村山市など東京都多摩地区にお住まいの方は、所沢いそのクリニック(isono-clinic.com)からWeb予約が可能です。
よくある質問
Q. 泌尿器科を受診したら必ず直腸診をされますか?
A. いいえ。直腸診はPSA値や症状など、必要と判断された場合に行われます。最初の受診では採血のみで終わることも多いです。
Q. PSA検査はどこで受けられますか?
A. 泌尿器科のほか、かかりつけ医でも受けられます。所沢いそのクリニックでも受診当日に採血で検査できます。健康診断のオプションとして受けられる場合もあります。
Q. PSAの基準値はいくつですか?
A. 一般的に4.0 ng/mL未満が基準ですが、年齢や医療機関によって精密検査を勧める基準が異なります。数値が高くても必ずしもがんとは限りません。
Q. 直腸診はどのくらい痛いですか?
A. 個人差はありますが、多くの方は「押される感覚」「尿意に似た感覚」を覚える程度です。所要時間は約10秒で、痛みがある場合はすぐに中止できます。
Q. 前立腺がんは自覚症状がありますか?
A. 早期の前立腺がんはほとんど自覚症状がありません。だからこそPSA検査による早期発見が重要です。
Q. 所沢いそのクリニックはどこにありますか?
A. 埼玉県所沢市にあります。Web予約・Web問診にも対応しており、初めての方でもスムーズに受診いただけます。詳細は公式サイト(isono-clinic.com)をご覧ください。
まとめ
- 泌尿器科の最初の検査は採血(PSA検査)だけ
- 直腸診は必要と判断されたときに、PSA検査と組み合わせて行う検査
- 前立腺がんは早期発見なら治癒率がほぼ100%
- 受診を先延ばしにすることが最大のリスク
PSA値の異常を指摘されているなら、まずはかかりつけ医か泌尿器科に連絡するところから始めてみてください。所沢・埼玉西部エリア・東京都多摩地区の方は所沢いそのクリニックへお気軽にご相談ください。
同じ不安を持っているお父さんやパートナーがいれば、ぜひこの記事をシェアしてください。
この記事は医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状や数値が気になる方は、必ず医療機関にご相談ください。
所沢いそのクリニック|https://isono-clinic.com

