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病名(女性の泌尿器科)

過活動膀胱

過活動膀胱は、尿意切迫感が必須症状で、通常は頻尿(何回もトイレに行く)や夜間頻尿(夜寝ている間に何回もトイレに起きる)を伴っている疾患です。場合によっては切迫性尿失禁(急に強い尿意が起こってトイレまで間に合わずに尿がもれる:尿失禁の項参照)を伴います。つまり、尿意切迫感があれば、過活動膀胱が疑われます。
過活動膀胱は、社会生活や日常活動に大きな影響を及ぼす可能性がある疾患です。膀胱の主な機能には、尿の蓄積と排泄がありますが、これらのバランスが崩れることにより過活動膀胱が発生します。具体的には、膀胱の筋肉が過度に活動的になることで、尿が溜まっていなくても尿意を感じたり、尿漏れを引き起こしたりします。このような症状は、日常生活において極めて不快であり、社会活動や対人関係にも影響を及ぼすことがあります。

原因

過活動膀胱の原因としては、大きく二つに分類されます。一つ目は、膀胱を制御する神経系の問題です。脳や脊髄など中枢神経系の損傷や病変が膀胱の機能に影響を与えることがあります。これには、脳卒中、脳腫瘍、パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄損傷などが含まれます。二つ目は、神経以外の原因です。これには、膀胱そのものの問題、ホルモン変動、生活習慣の問題、前立腺肥大、骨盤底の問題などがあります。これらの要因は、膀胱の感受性を高め、過活動性に寄与します。

診断に際しては、過活動膀胱と類似の症状を呈する疾患との鑑別が重要です。膀胱炎、尿路結石、膀胱がん、子宮内膜症、多尿症、心因性頻尿、あるいは特定の薬剤の副作用など、他の多くの疾患が過活動膀胱と似た症状を引き起こす可能性があります。このため、詳細な問診・検査などが行われます。

治療

過活動膀胱の治療は、症状の管理と生活の質の向上を目的としています。治療法には、非薬物療法と薬物療法があります。非薬物療法には、食生活の調整、適度な運動、ストレス管理、膀胱訓練、骨盤底筋訓練などがあります。これらの方法は、膀胱のコントロールを改善し、尿意を効果的に管理することを目的としています。一方、薬物療法には、膀胱の筋肉をリラックスさせる薬剤、神経伝達を調節する薬剤などが用いられます。

最近では、ボツリヌス毒素を用いた治療法(保険診療で行っております)も注目されています。ボツリヌス療法は、過活動膀胱の筋肉に直接作用し、その過剰な収縮を抑制することで、症状の改善を図ります。この治療法は特に、従来の治療法で十分な効果が得られなかった難治性のケースにおいて有効とされており、約6ヶ月間効果が持続すると報告されています。薬剤効果が減弱する前に、適切な間隔をあけて行うことができます。
 

当院では、過活動膀胱の診断から治療まで、患者様一人ひとりの状況に応じた個別の対応を心がけています。非薬物療法から最新の薬物療法、ボツリヌス療法に至るまで、幅広い治療オプションを提供し、患者様のより健康で充実した人生をサポートしています。過活動膀胱に悩む方は、ぜひ当院までご相談ください。当院の専門スタッフが、一人ひとりの状態に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。

検査等にかかる費用について(3割負担の場合)

診察料(初診料 864円、 再診料 219円)
腹部超音波検査 1590円
尿検査(尿沈渣を含む) 150円

必要に応じて
尿細胞診 570円
CT検査(画像診断料含む) 4050円
膀胱内視鏡検査 2670円
 

ご予約はこちらからも承ります。



文責:磯野誠 所沢いそのクリニック 内科・泌尿器科・女性泌尿器科
04-2951-2200