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症状(泌尿器科)

おねしょ(夜尿症)

まず最初に申し上げておきたいのは、おねしょ(夜尿症)は決して特殊な病気ではないということです。日本においては、5歳以上のこども80万人がおねしょで悩んでいると言われております。ただ、そのうちの9割のこどもが治療を受けていないとされています。
おねしょは決して命をおびやかす病気ではないです。では、どうしておねしょの治療が必要なのかというと、①成長過程にあるこどもたちのメンタルに影響をおよぼす可能性があること、②おねしょをきたす原因となるような他の病気がないかどうかを調べる必要があること、③小学校高学年以降の行事に対応する必要があること、などが挙げられます。
おねしょがあるお子さまは自尊心が低下するというデータがあります。しかし、治療によっておねしょが改善することで自尊心が高まると言われております。しかも、おねしょが完全になくなるのではなく、少し良くなるだけでも自尊心が高まると言われております。

夜尿症とは

夜尿症とはどんな病気なのかを解説します。夜尿症は、①5歳以降のお子さまに、②夜寝ている間に無意識に尿が漏れることが、③月に1回以上あって、④しかもそれが3か月以上続いている状態です(夜尿症診療ガイドライン 2021)。

おねしょの原因

原因として主に3つあります。①寝ている間に作られるおしっこの量そのものが多いこと、②膀胱の大きさが小さいこと、③尿意があっても目を覚ましてトイレに行くことができないこと、が考えられております。

おねしょの治療

夜尿症の分類として、夜寝ている間だけのおねしょ(単一症候性夜尿症)なのか、あるいは日中も尿漏れがあるのか(非単一症候性夜尿症)があり、それによって治療方針がかわります。日中の尿漏れがある場合には、まずそちらの治療を優先する必要があります。
夜寝ている間だけおしっこが漏れる場合(単一症候性夜尿症)について、少しアドバイスさせていただきます。まずは、夜寝る前の水分を制限することが大切です。寝る前の2時間前(できれば3時間前)からは、あまりたくさん飲み物を飲まないようにしましょう。
次に、トイレのタイミングを調整することも大切です。定期的にトイレに行く習慣を作ることで、夜中のおしっこの回数を減らすことができます。特に、寝る前にトイレに行って、膀胱を空っぽにしておくことは大事です。
それから、トイレトレーニングも効果的な対策です。これは自分のおしっこを我慢する訓練のことです。最初は少しずつ(5分程度から)我慢し、慣れてきたら時間を延ばしていきます。そうすることで、おしっこのコントロールが上手になっておねしょが改善することがあります。

しかしながら、おねしょの対策は人それぞれで効果が異なります。上記の生活改善でもおねしょが良くならない場合には、薬物療法やアラーム療法といった治療がすすめられることがあります。ここでは簡単な説明にとどめておきますが、薬物療法は、夜の間に作られるおしっこの量そのものを減らしたり、膀胱がふくらむのを助けてあげるような治療になります。また、アラーム療法とは、寝ている間におしっこが少し漏れた時点でアラームが鳴り、起こしてくれる治療法です。それぞれにメリットとデメリットがあります。薬物療法は、即効性があり、また保険適応となるため金銭的な負担が少ないというメリットがありますが、内服を中止するとまたおねしょをぶり返す可能性があります。アラーム療法は、おねしょが改善するまでに数か月を要するのと、自費であるために金銭的な負担はあります。しかしながら、一度しっかりと治療して改善すれば治療終了後も再発しない可能性が高い治療となります。

以上がおねしょについての基本的な対策と治療法です。ご自宅でできる対策もありますが、一度ご相談ください。皆さまが快適な睡眠を取ることができるように、一緒にがんばっていきましょう。


ご予約はこちらからも承ります。


文責:磯野誠 所沢いそのクリニック 内科・泌尿器科・女性泌尿器科
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