Disease
病名(内科)
病名(内科)
帯状疱疹
帯状疱疹は、脊髄神経節という部位に潜んでいる水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスにより引き起こされます。はじめて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染するのは、子どものころがほとんどですが、その時には水ぼワクチンうそうとして発症します。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは身体から消えることはなく、脊髄から伸びる神経節に潜んでいます。健康で免疫が維持されている間は、水痘・帯状疱疹ウイルスの活動は抑えられておりますが、加齢や疲労、ストレスなどにより免疫力が低下すると、ウイルスが再び活動を開始し、神経の流れに沿って皮膚に達して、帯状に痛みや発疹が現れるようになります。日本人では80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。当院の院長は、12歳のときと35歳のときに帯状疱疹を発症しました。
帯状疱疹の予防には、主に50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。水ぼうそうにかかったことがある方は、すでに水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまいます。そのため、あらためてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防することをおすすめします。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、発症リスクが下がり、またたとえ発症しても症状が軽くすむといわれております。
症状
ピリピリと刺すような痛み・かゆみから始まり、続いて小さな水ぶくれや発疹(ほっしん)が帯状に現れます。治療
帯状疱疹の治療薬としてウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス薬が登場し、以前に比べて帯状疱疹の治療は容易になりましたが、それでも治療が長引くケースや治った後にも長期間、痛みが残るケースが少なくありません。帯状疱疹が治った後に後遺症として痛みなどの症状が残ると、日常生活に支障をきたすことがあるため、できれば帯状疱疹の発症を予防し、発症してしまった場合には早めに治療を開始することが重要です。ワクチン
帯状疱疹は、ワクチンで予防できます。帯状疱疹の予防には、主に50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。水ぼうそうにかかったことがある方は、すでに水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまいます。そのため、あらためてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防することをおすすめします。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、発症リスクが下がり、またたとえ発症しても症状が軽くすむといわれております。
項目 | シングリックス(不活化ワクチン) | 水痘ワクチン(生ワクチン) |
---|---|---|
価格 | 21,000円/回 | 6,500円/回 |
接種回数 | 2回(筋肉内注射) | 1回(皮下注射) |
接種間隔 | 1回目接種の2ヵ月後から6ヵ月後まで | ー |
特徴 | 長期の発症予防効果あり(9年以上) | 短期の発症予防効果(5年程度) |
1回あたりの接種料金が高額 | 1回の接種で完了 | |
帯状疱疹発症予防効果 | 50歳以上: 97.2% 70歳以上: 89.8% |
50歳代: 69.8% 60歳代: 64% 70歳代: 41% |
帯状疱疹後神経痛予防効果 | 50歳以上: 100% 70歳以上: 85.5% |
60歳以上: 66.5% |
主な副反応 | 高頻度: 注射部位の疼痛(約80%)、筋肉痛、疲労 | 副反応の発症率は低い 接種部位の発赤(約40%) |
稀にショックやアナフィラキシー | 稀にアナフィラキシー、無菌性髄膜炎 | |
接種を受けられない方 | 発熱、重篤な急性疾患、アナフィラキシー既往歴 | 発熱、重篤な急性疾患、妊婦、免疫抑制状態 |
他のワクチンとの接種間隔 | 新型コロナウイルスワクチンと13日以上空ける | 新型コロナウイルスワクチンと13日以上空ける 他の生ワクチンは27日以上空け |
帯状疱疹は他の人にうつりますか?
帯状疱疹自体は他の人に直接うつることはありません。しかし、帯状疱疹を発症した人から、水痘(varicella)ウイルスをうつすリスクは存在します。具体的には、帯状疱疹の患者が水痘を経験していない人や免疫機能が低下している人に近づくと、その人が初めて水痘に感染する可能性があります。特に注意が必要なのは、水痘の経験がない人や、何らかの理由で免疫が弱っている人です。これらの人々が帯状疱疹の患者と密接な接触を持つと、彼らは水痘の感染を受けるリスクが非常に高まります。これは、帯状疱疹の発疹部分に含まれるウイルスが、感染性を持っているためです。
帯状疱疹と水痘は、同一のウイルスすなわち水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-zoster virus、VZV)によって引き起こされます。人が初めてこのウイルスに感染すると、大抵の場合は水痘としての症状が現れます。そして、一度感染すると、ウイルスは体の神経節に潜伏します。多くの場合、潜伏したウイルスが再び活動を開始することはありませんが、一部の人々でさまざまな要因(例:年齢の進行、ストレス、免疫の低下等)により、ウイルスが再活性化し、帯状疱疹としての症状を発症させます。
このような背景を考慮すると、帯状疱疹の患者の発疹部分が他者との接触を持つことは、極力避けるべきです。特に水痘を経験していない人や、免疫機能が低下している人が近くにいる場合には、感染リスクを最小限にするため、発疹部分はしっかりとカバーし、他者との直接的な触れ合いは控えることが強く勧められます。
ご予約はこちらからも承ります。
文責:磯野誠
所沢いそのクリニック 内科・泌尿器科・女性泌尿器科
埼玉県所沢市東所沢2-24-8
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