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症状(内科)

倦怠感

倦怠感とは

倦怠感とは、身体が重たく感じたり力が入らなかったりして、「何もしたくない」「動くのが億劫だ」という状態になることを指します。よく使われる「だるさ」という表現とほぼ同義です。これは、身体が疲労を感じて休息を求めているサインともいえますが、慢性的に続く場合には単なる疲労ではなく、別の原因が潜んでいることがあります。

倦怠感の原因

倦怠感・だるさを引き起こす原因は、大きく分けると「日常生活の影響」と「病気の影響」の2つに分類できます。

1. 日常生活の影響

  • 過労・睡眠不足
    長時間労働や夜更かし、交代制勤務などで十分な睡眠時間を確保できないと、身体だけでなく脳も十分に休めません。その結果、慢性的な疲労がたまりやすくなり、倦怠感が出現します。

  • 不規則な生活習慣
    食事の時間や就寝・起床の時刻がバラバラだと、体内リズムが乱れてしまいます。体内時計が狂うことでホルモン分泌や自律神経の調整がうまくいかず、疲れが抜けにくくなる原因となります。

  • 精神的ストレスの蓄積
    職場や家庭でのストレス、人間関係の悩みなどは、知らず知らずのうちに心身のエネルギーを消耗させます。強いストレス状態が続くと、自律神経のバランスが乱れ、疲労感や睡眠障害などを引き起こすことがあります。

  • 偏った食生活・栄養不足
    例えば炭水化物ばかり摂り、たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足すると、体のエネルギー代謝がうまく機能しなくなることがあります。必要な栄養素が足りない状態が続くと、回復力が落ちて倦怠感が生じやすくなります。

  • 過度な運動・身体の酷使
    急に激しい運動を行ったり、長時間重労働を続けたりすると、筋肉だけでなく全身の疲労が大きくなります。しっかり休養を取れば数日で回復することが多いですが、休む間もなく無理を重ねると慢性的なだるさに繋がります。

2. 病気の影響

規則正しい生活を送っているにもかかわらず倦怠感が長く続く場合は、病気が原因であることも考えられます。以下に、倦怠感が症状としてあらわれやすい代表的な疾患を挙げます。

どんな人に起こりやすいか

倦怠感は、男女や年齢を問わず、どんな方にも起こり得ます。特に、社会人として働き盛りの世代は過労や睡眠不足が重なりやすいことから、だるさを訴えるケースが多い傾向にあります。また、受験勉強や部活動などで生活が不規則になりやすい学生、高齢になり体力や抵抗力が落ちた方なども注意が必要です。さらに、女性の場合は妊娠や出産、更年期などホルモンバランスの変化が激しいライフステージを経験するため、倦怠感を感じる機会が増えることがあります。

倦怠感に関連する主な病気

ここでは、倦怠感が現れる主な病気をいくつか取り上げます。症状が当てはまる場合は、自己判断せずに医療機関の受診を検討しましょう。

  1. 感染症(風邪・インフルエンザなど)
    発熱・鼻水・のどの痛み・咳などの症状に加え、全身のだるさや疲労感が出ることが多いです。

  2. 貧血
    酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが不足し、めまいや息切れ、倦怠感が生じます。特に女性は生理の影響で鉄分が不足しやすいため注意が必要です。

  3. 肝機能障害(急性肝炎・慢性肝炎など)
    食欲不振、黄疸、嘔吐などとともに強い倦怠感が続く場合は、肝機能が低下している恐れがあります。ウイルス性肝炎やアルコール性肝障害などが原因となることがあります。

  4. 糖尿病
    喉の渇きや頻尿、体重減少などがみられるほか、慢性的な疲労感が続くことがあります。血糖値が高い状態が長く続くと、神経障害や合併症リスクが高まるため早期受診が大切です。

  5. 甲状腺機能異常
    甲状腺ホルモンが過剰に分泌されたり不足したりすると、新陳代謝のバランスが崩れやすくなります。その結果、疲れやすさや動悸、体重変動などを感じるケースがあります。

  6. 睡眠時無呼吸症候群
    睡眠中に呼吸が止まることで熟睡できず、日中の強い眠気や倦怠感、集中力の低下などが起こります。肥満やいびきとの関連も指摘されています。

  7. うつ病などの精神疾患
    抑うつ気分だけでなく、身体の痛みや強い疲労感などの身体症状をともなうことがあります。長期的に意欲が湧かない、楽しさを感じられない場合は要注意です。

  8. 更年期障害
    女性ホルモンの急激な減少に伴い、肩こり、のぼせ、めまい、倦怠感など多彩な不調があらわれます。40〜50代の女性によくみられます。

  9. 慢性疲労症候群
    強い疲労感が何ヶ月も続き、日常生活が困難になるほどの症状が特徴です。筋肉痛や睡眠障害、思考力の低下などを訴える方も少なくありません。

  10. 起立性調節障害
    小児から思春期に多く、朝起きられない、立ちくらみ、動悸、倦怠感などがみられます。自律神経の働きがうまくいかず、血圧や心拍数の調整が乱れることが原因です。

チェックポイント

倦怠感が続くときは、以下の点を確認してみてください。

  1. 症状の期間と強さ

    • いつ頃からだるさを感じ始めたか

    • 日によって変動があるか

    • 強い疲れが一週間以上続いていないか

  2. 休養による回復の有無

    • しっかり睡眠をとったり休んだりすると症状が軽快するか

    • 休日や連休を挟んでも改善がみられない場合は要注意

  3. 尿の色・体重変化

    • 尿の色が濃い、黄疸のように肌が黄色く見える場合は肝機能のトラブルかもしれません

    • 体重の急激な増減や食欲不振があるときは早めに受診を検討

  4. 合わせて出現する症状

    • 頭痛・めまい・動悸・のどの痛み・鼻水・発熱など、他の症状の有無を確認

  5. 睡眠状況・生活習慣

    • 夜間のいびきや呼吸停止が指摘されているか

    • ストレスフルな環境に長く身を置いていないか

    • 食事内容や間食のとり過ぎ、運動不足もチェック

倦怠感の予防・対処法

1. 規則正しい生活リズムを整える

  • 睡眠時間の確保
    個人差はありますが、目安として1日7時間程度の睡眠が推奨されます。就寝・起床の時刻を一定にすることで体内時計が整いやすくなります。

  • バランスのよい食事
    主食・主菜・副菜をバランスよく摂り、ビタミンやミネラル、たんぱく質を意識することが大切です。特に鉄分やビタミンB群、ビタミンCなどは疲労回復に関わる栄養素として注目されています。

  • 適度な運動
    ウォーキングやストレッチなど、軽めの運動を習慣化すると血行が良くなり、疲労物質の排出を促進します。運動後は質の良い睡眠が得られるメリットもあります。

2. ストレスのコントロール

  • リラックスできる時間を意識して作る
    趣味や音楽鑑賞、アロマテラピーなど、自分が心地よいと感じる方法でリラックスしましょう。

  • 適度に息抜きや相談ができる環境づくり
    周囲の人とコミュニケーションを取り、問題を一人で抱え込まないようにしましょう。必要に応じてカウンセリングを利用するのも選択肢の一つです。

3. 十分な休養と睡眠

  • 休み方も工夫する
    単に横になるだけでなく、軽いストレッチや深呼吸を行うと全身の緊張がほぐれ、疲れが取りやすくなります。

  • カフェインの摂取に注意
    コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは眠気を抑える一方、摂り過ぎると睡眠の質を下げることがあります。夕方以降は控えめにすると良いでしょう。

4. 病気が疑われる場合は早期受診を

  • 休養しても回復しない倦怠感、発熱や黄疸などの症状がある場合、あるいは精神的につらい状態が続く場合は、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。早期発見・早期治療が大切な疾患も数多くあります。

まとめ

倦怠感は、誰にでも起こりうる非常に身近な症状です。生活習慣やストレスの影響による一時的なものなら、十分な休養や睡眠を取ることで軽快することがほとんどです。しかし、長期間にわたって改善がみられない場合や、他の症状が重なっている場合は、何らかの病気が背景にあるかもしれません。大切なのは、自分の体からのサインを見逃さず、適切なタイミングで対処を行うことです。

もし倦怠感が続いていて気になるようであれば、まずは生活習慣や睡眠環境を見直してみてください。そのうえで、少しでも「おかしいな」と感じる点があれば、病院で検査を受けたり専門医に相談したりすることをおすすめします。倦怠感の原因を正しく把握し、早めにケアをすることで、健康的で快適な毎日を取り戻すことができるはずです。

日々の疲労は自分で気づきにくい場合も多いため、周囲の人に相談しながら無理のない生活を心がけましょう。適切な予防と早期対応が、長引く倦怠感を防ぐカギとなります。自分の身体をいたわり、バランスの良い生活を送りながら、元気に過ごしていただければ幸いです。

 


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所沢いそのクリニック 内科・泌尿器科・女性泌尿器科 
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