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病名(男性の泌尿器科)

性感染症(梅毒)

性感染症のことはなかなか人に相談しにくかったり、気になる症状があっても放置してしまう方も少なくありません。しかし、性感染症は自然に治ることはほとんどなく、治療が遅れるといろいろな全身症状を引き起こすリスクが高くなります。

梅毒とは、トレポネーマという菌によって引き起こされる感染症です。この菌が人の体に感染すると、最初は小さな潰瘍や皮疹などの症状から始まり、時間とともに進行していきます。

梅毒の感染経路

梅毒の主な感染経路は性行為です。つまり、感染している人の性器・口・肛門の潰瘍や皮疹と、相手の皮膚や粘膜が直接接触することによって感染が広がります。梅毒は母子感染も起こり得ます。母親が梅毒を持っていると、出産するときに子供にも感染する可能性があります。梅毒は空気感染や飛沫感染を通して感染することはありません。また、感染している人と同じお風呂やプールに入ったというだけではうつりません。トイレの便座から感染することもありません。主な感染経路はあくまで直接的な人間同士の接触、特に性的接触です。

梅毒の症状

梅毒に感染すると、全身にさまざまな症状があらわれます。しかし、梅毒には症状が出る時期と、症状が出ない時期を繰り返すため、症状がなくなったからといって梅毒が治ったわけではありません。症状がなくても、体の中では梅毒トレポネーマが増殖し続けているため、早めに治療を受けることが重要です。

梅毒は、感染してからの期間によって、それぞれ異なる症状があらわれます。また、感染してすぐには症状があらわれず、約3週間の潜伏期間を経て最初の症状が出現します。早期梅毒の第1期では、性器や口のまわりにびらんや潰瘍・硬結といった症状があらわれます。これは痛みを伴わないことが多く、見過ごされることも多いです。これをそのまま放置しておくと、いったん症状が消え潜伏期にうつります。潜伏期では、症状が見られなくなりますが、菌は体の中に残っています。その後、感染から2-3か月たつころになると梅毒第2期に移行し、全身の皮疹や発熱、関節痛などの症状があらわれることがあります。梅毒第2期の症状が消えた後、感染者は潜伏期に入ります。この期間中、明らかな症状はありませんが、血液検査では梅毒の感染が確認できます。潜伏期は数年から数十年にわたって続くことがあります。そして、患者さん全員が至るわけではありませんが、末期梅毒では心臓や脳、目などに深刻なダメージを引き起こし、致命的になります。末期梅毒の症状があらわれると、その一部はもとに戻らなくなる可能性があります。
すべてのステージにおいて、性行為により他の人に感染を広げてしまう可能性があります。

梅毒の治療法

梅毒は抗菌薬により治療が可能です。しかし、時間が経過して病状が進行した場合、より長い治療期間が必要になる可能性もあります。また、治療を完了させないと、菌は体の中に残り続け、病状は進行します。治療しないまま放置すると、神経系や心臓を含む重要な器官に深刻なダメージを引き起こす可能性があります。

梅毒の予防と注意点

まず第一に、セーフセックスが重要となります。適切なコンドームの使用により感染を予防することが可能です。また、不特定多数のパートナーと性行為を持つことは感染リスクを増大させます。そして、感染が疑われる場合や定期的に性的な接触がある場合は、早い時点で検査を受けることが重要です。早期に発見し、治療を開始することで、長期的な健康被害を防ぐことができます。

梅毒は、感染初期では症状が軽微で見逃されやすい一方、放置すると重篤な健康問題を引き起こす可能性のある性感染症です。感染経路の理解と、適切なコンドームの使用による予防、そして検査による早期発見・早期治療が、梅毒から自分自身とパートナーを守るための鍵となります。
 
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文責:磯野誠 所沢いそのクリニック 内科・泌尿器科・女性泌尿器科
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