【諦めないで!】薬でダメならこの一手。過活動膀胱の最新「ボトックス治療」を徹底解説!

院長ブログ

こんにちは! 所沢いそのクリニック院長の磯野誠です。

突然ですが、あなたはこんな経験ありませんか?

・急に「今すぐトイレに行きたい!」と我慢できないほどの尿意に襲われる… 😥

・何度もトイレに行くから、外出先ではトイレの場所ばかり気にしてしまう… 🗺️

・咳やくしゃみをした瞬間に、ヒヤッとして不安になる… 💦

・夜中に何度もトイレに起きてしまって、ぐっすり眠れない… 😴

もし、一つでも「わかる!」と思ったなら、それは「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」という病気のサインかもしれません。

「特別な病気なのかな?」と不安に思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。実は、日本の40歳以上の男女の8人に1人、全国で1000万人以上の方が同じような症状で悩んでいる、とても身近な病気なんです。

多くの場合、お薬による治療で症状は良くなります。でも、中には「薬を飲んでもあまり良くならない…」「副作用がつらくて続けられない…」という方もいらっしゃいます。

でも、諦めるのはまだ早いです!

この記事では、そんな「お薬だけでは解決が難しい、つらい頻尿や尿漏れ」に悩む方々のための新しい選択肢として、2020年から保険適用になった「ボトックス治療」について、専門家の視点から、分かりやすく徹底解説していきます。

この記事を最後まで読めば、

・そもそも過活動膀胱って何?という基本のキ

・なぜ、お薬だけでは効かないことがあるのか

・最新のボトックス治療はどんな治療で、どんな効果が期待できるのか

これら全てがスッキリ理解できます。 「もう歳のせいだから…」と諦めていたそのお悩み、解決の糸口が見つかるかもしれません。ぜひ最後までお付き合いください!

そもそも「過活動膀胱」ってどんな病気?
さて、まずは「過活動膀胱」について、もう少し詳しく見ていきましょう。

一言でいうと、過活動膀胱は「膀胱が過敏になって、自分の意思とは関係なく勝手に縮んでしまう病気」です。

私たちの膀胱は、普段はリラックスした風船のように尿を溜めてくれます。そして、ある程度尿が溜まると、脳に「トイレに行きたいですよ」とサインを送ります。それを受けて、私たちは「よし、トイレに行こう」と自分のタイミングで排尿するわけです。

ところが、過活動膀胱になると、まだ尿が十分に溜まっていないのに、膀胱の筋肉が過剰に、そして勝手にギュ~っと収縮しようとしてしまいます。この「勝手な収縮」が、あの強烈で突然な尿意の正体なんです。

代表的な症状は、主に4つあります。

尿意切迫感(にょういせっぱくかん) 「急に、前触れもなく、猛烈にトイレに行きたくなる、我慢するのが難しい!」という感覚です。過活動膀胱の最も特徴的な症状です。

頻尿(ひんにょう) 日中、トイレの回数が8回以上になる状態です。少ししか尿が溜まっていなくてもトイレに行きたくなってしまうんですね。夜中に何度も起きる「夜間頻尿」で悩む方も多くいらっしゃいます。

切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん) 急にトイレに行きたくなったとき、トイレに駆け込むまでに間に合わずに漏れてしまうことです。これは生活の質(QOL)を大きく下げてしまう、とてもつらい症状です。

これらの症状は、命に直接関わるわけではありません。でも、仕事に集中できなかったり、バスや電車での移動が怖くなったり、趣味の旅行を諦めたりと、日常生活に大きな影を落としてしまいます。

これまでの治療法とその限界

では、過活動膀胱と診断されたら、どんな治療が行われるのでしょうか。 治療は大きく分けて3つのステップで進められます。

ステップ1:行動療法(生活習慣の見直し)
まず最初に取り組むのが、お薬に頼らない「行動療法」です。

・水分摂取の調整:食事以外で1日1〜1.5リットルを目安に、がぶ飲みせず、こまめに摂るのがコツです。

・カフェイン・アルコールの制限:コーヒー、緑茶、アルコールは利尿作用があり膀胱を刺激します。これらを控えるだけでも症状が和らぐことがあります。

・骨盤底筋(こつばんていきん)体操:尿道をキュッと締める筋肉を鍛えるトレーニング。尿意切迫感や尿漏れの改善が期待できます。

・膀胱訓練:少しだけトイレを我慢する練習です。5分から始め、徐々に時間を延ばし、膀胱に尿を溜める感覚を取り戻していきます。

ステップ2:薬物療法
行動療法と並行して、お薬による治療も行います。現在、主に使われているのは2種類です。

・β3(ベータスリー)作動薬:膀胱の筋肉をリラックスさせて緩め、より多くの尿を溜められるようにするお薬です。
・抗コリン薬:膀胱が勝手に収縮するのをブロックする「ブレーキ役」のお薬です。

これらのお薬は非常に効果が高く、約7割の方は症状が改善すると言われています。 しかし、一方で、こんな問題点も…。

副作用の問題:特に抗コリン薬では、口の渇きや便秘といった副作用が出ることがあり、治療を続けるのが難しくなるケースがあります。

効果が不十分な場合:お薬を3ヶ月以上きちんと飲んでも、残念ながら2〜3割の方は、十分な効果が得られません。

このように、行動療法やお薬の治療を続けても改善しない状態を「難治性(なんちせい)過活動膀胱」と呼びます。 これまでは「もう打つ手がない…」と諦めてしまう方も少なくありませんでした。 しかし、そんな方々のために登場したのが、今回ご紹介する「ボトックス治療」なんです!

【新しい選択肢】難治性過活動膀胱への「ボトックス治療」
お待たせしました!ここからが本日のメインテーマ、「ボトックス治療」についてです。

「ボトックス」と聞くと、美容の「シワ取り注射」をイメージしますよね? まさに、そのボトックスです。

ボトックスは、ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質から有効成分だけを安全に精製したお薬。菌そのものを注射するわけではないので、感染の心配はありません。

ボトックスには、「筋肉の過剰な働きを緩める」という作用があります。この仕組みを過活動膀胱に応用したのが今回の治療です。

過活動膀胱の原因は、膀胱の筋肉が過剰に収縮することでしたよね。 そこで、この膀胱の壁の筋肉に、ボトックスを直接注射します。 すると、ボトックスが膀胱の筋肉の過剰な収縮をピンポイントで抑え込み、膀胱が勝手に暴走するのを防いでくれるんです。

どんな人が治療を受けられるの?
この治療の対象となるのは、 ✅ β3作動薬や抗コリン薬による治療を3ヶ月以上行っても、効果が不十分だった方 ✅ 副作用が原因で、お薬の治療を続けられない方 です。
(※妊娠中・授乳中の方、ボトックスにアレルギーがある方は受けられません)

治療の実際:どんなことをするの?痛くない?
「膀胱に注射なんて、すごく痛そう…」と不安に思うかもしれませんが、ご安心ください。 この治療は、当院で日帰りで行うことができます。

麻酔:尿道から膀胱の中に、局所麻酔薬を入れます。

注射:麻酔が効いたら、尿道から細い内視鏡(カメラ)を挿入。モニターで膀胱の内部を見ながら、専用の細い針で、膀胱の壁にボトックスを20箇所ほど、少しずつ注射します。

終了:注射にかかる時間は、わずか5分~10分程度!

治療後は少し院内で休み、ご自身で問題なく排尿できることを確認したら、そのまま歩いて帰宅できます。実際に治療を受けた方のほとんどが「思ったより痛くなかった」とおっしゃいますので、過度に心配する必要はありませんよ。

気になる効果と持続期間は?
この治療のすごいところは、その効果の高さです。 臨床試験では、治療を受けた方の約8割が「症状が改善した」と満足しているという結果が出ています。
お薬では満足できなかった方々が対象ですから、これは非常に高い効果と言えます。

✨ 実際にこんな声が届いています! ✨

「急な尿意が和らぎ、トイレに慌てて駆け込むことがなくなった」

「夜中のトイレの回数が明らかに減り、朝までぐっすり眠れるように!」

「尿漏れパッドが不要になり、安心して外出や旅行を楽しめるようになった」

効果は、早い方で治療後3〜4日、多くの方は1週間ほどで実感し始めます。 そして、その効果は1回の治療で約4ヶ月から8ヶ月持続します。

効果が切れて症状が気になり始めたら、再度治療を受けることが可能です。繰り返し治療を受けても、効果が弱まることはありません。

副作用はないの?費用はどのくらい?
重篤な副作用が起こることはほとんどありませんが、最も起こりうる副作用は「尿の勢いが少し弱くなる」「尿が出にくくなる」という症状です。これはボトックスが効きすぎた場合に起こりますが、時間とともに自然に改善していきます。

そして、気になる費用ですが、この治療は2020年から健康保険が適用されています。

3割負担の方:約4〜5万円

これが目安となります。
毎月のお薬代や尿漏れパッド代を考えると、十分に検討できる選択肢ではないでしょうか。

まとめ:つらいお悩み、もう一人で抱え込まないで
今回は「過活動膀胱」とその最新治療「ボトックス治療」について解説しました。

【今日のポイント】

急な尿意や頻尿に悩む「過活動膀胱」は、40歳以上の8人に1人が経験する身近な病気。

治療はまず生活習慣の改善やお薬が基本だが、効果が不十分な「難治性」のケースもある。

そんな方のために、膀胱の異常な収縮を直接抑える「ボトックス治療」という新しい選択肢がある。

この治療は保険適用で、日帰りで可能。約8割の方が効果を実感している非常に有効な治療法。

つらい頻尿や尿漏れの症状を、「もう年だから仕方ない…」と一人で抱え込んでいませんか? そのお悩み、諦める必要はありません。

この記事を読んで、「もしかして自分も…?」「この治療についてもっと詳しく知りたい」と思われた方は、ぜひ一度、当院もしくはお近くの泌尿器科専門医にご相談ください。

快適な毎日を取り戻すための、新しい道がきっと見つかるはずです。

この記事を書いた人
院長 磯野誠

 
略歴
・防衛医科大学校卒業 医師免許取得
・研修医(防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院)
・陸上自衛隊武山駐屯地医務室(神奈川県横須賀市)で総合診療に従事
・専修医(防衛医科大学校病院)で泌尿器科診療に従事
・陸上自衛隊善通寺駐屯地医務室(香川県善通寺市)で総合診療に従事
・防衛医科大学校医学研究科
・デュッセルドルフ大学泌尿器科学講座(ドイツ連邦共和国)で泌尿器科がんの研究に従事
・陸上自衛隊第11旅団司令部(北海道札幌市)医務官
・恵佑会札幌病院泌尿器科、札幌医科大学病理学第一講座で泌尿器科がんの診療・研究に従事
・我孫子東邦病院泌尿器科で女性泌尿器科・前立腺肥大症・尿路結石の診療に従事
・所沢いそのクリニック開院

資格・所属学会
・医学博士
・日本泌尿器科学会 専門医・指導医
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター(手術指導医;前立腺・膀胱、仙骨膣固定術)
・日本内視鏡外科学会 技術認定医
・日本透析医学会
・日本生殖医学会
・日本メンズヘルス医学会 テストステロン治療認定医
・ボトックス講習・実技セミナー(過活動膀胱・神経因性膀胱)修了
・がん診療に携わる医師に対する緩和ケア講習修了
・臨床研修指導医

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