健康診断でC判定・D判定・E判定が出たら? 再検査の受け方を医師が解説

院長ブログ

こんにちは!所沢いそのクリニック院長の磯野誠です。

健康診断の結果票を開いて、「C」「D」「E」の文字に胸がざわついた——そんな経験はありませんか。

結論からお伝えすると、C判定は「生活を見直しながら経過観察」、D判定は「できるだけ早く医療機関で再検査・精密検査」、E判定は「治療の開始または継続」が必要なサインです。
特にD判定を放置すると、自覚症状のないまま高血圧・糖尿病・腎臓病などが進行し、脳卒中や心筋梗塞、透析につながるおそれがあります。

この記事では、判定の意味、検査項目別のリスク、再検査の受け方までをわかりやすく解説します。
健診結果に不安のある方はぜひ参考にしてください。

健康診断のA〜E判定の意味を整理する

健康診断の結果票には、検査項目ごとと総合評価としてA〜Eの判定が記載されます。
表記は健診機関によって多少異なりますが、おおむね次のような意味です。

判定 意味 求められる行動
A 異常なし 現状維持。次回も年1回の健診を
B 軽度の変化あり(日常生活に支障なし) 生活習慣に気を配りつつ経過を見る
C 要経過観察・要生活改善 食事・運動・飲酒などを見直し、半年〜1年後に再チェック
D 要精密検査・要治療 速やかに医療機関を受診し、詳しい検査を受ける
E 要治療・治療継続中 治療を開始する、または主治医のもとで治療を続ける
ポイント:C以上の判定は「体からの早期警告」です。
CとDの違いは、「まだ生活改善で立て直せる段階」か、「すでに病気の可能性が高く医師の診断が必要な段階」かの違いと考えてください。

判定が出たら「いつまでに」「何をすべきか」

判定ごとの動き方の目安を、時間軸で整理します。

判定 受診の目安 具体的な行動
C判定 次回健診まで(気になる項目は3〜6か月後に再測定) 減塩・減量・節酒・運動など生活習慣の改善。数値が改善しない場合は受診
D判定 1か月以内を目安に受診 健診結果票を持って内科(項目により泌尿器科など)を受診し、再検査・精密検査を受ける
E判定 すぐに(治療中の方は通院を継続) 治療を中断している場合は再開を。通院中の方は主治医に健診結果を共有

「D判定=重病」ではありません。
再検査をしてみると一時的な体調変化だった、というケースも実際に少なくありません。
ただし、それは検査で確かめて初めて言えることです。
「たぶん大丈夫」で済ませてしまうことが、いちばんのリスクです。

検査項目別:C・D判定の意味と放置したときのリスク

血圧(高血圧)

診察室血圧でおおむね140/90mmHg以上になると高血圧と評価され、160/100mmHgを超えるとD判定として早期の受診が勧められます。
高血圧は自覚症状がほとんどないまま血管を傷つけ続け、脳卒中・心筋梗塞・心不全のほか、腎臓の血管を痛めて慢性腎臓病(CKD)を進行させることが知られています。
腎機能は一度落ちると元に戻りにくいため、内科と泌尿器・腎領域の両面からの管理が重要です。

血糖・HbA1c(糖尿病)

空腹時血糖126mg/dL以上、またはHbA1c 6.5%以上は糖尿病が強く疑われる水準で、通常D判定となります。
その手前の「境界型(予備群)」はC判定に相当し、この段階で生活を立て直せるかどうかが分かれ道です。
糖尿病を放置すると、網膜症(視力低下)・腎症(透析の最大原因)・神経障害の三大合併症に加え、動脈硬化による心筋梗塞・脳梗塞のリスクが上がります。

脂質(LDLコレステロール・中性脂肪)

LDLコレステロールや中性脂肪の軽度上昇はC判定、大幅な上昇はD判定です。
脂質異常そのものに症状はありませんが、高血圧・高血糖・肥満と重なると動脈硬化が加速度的に進みます。
危険因子が複数ある方ほど、数値の「軽度異常」を軽く見ないことが大切です。

肝機能(AST・ALT・γ-GTP)

軽度の上昇では脂肪肝や飲酒の影響がまず疑われ、節酒・減量と経過観察(C判定)となります。
大きく基準を外れる場合はD判定で、ウイルス性肝炎やアルコール性肝障害、進行した脂肪肝炎などの鑑別が必要です。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、肝硬変や肝がんに至るまで症状が出にくいため、健診値の異常が唯一のサインになることがあります。

心電図

散発的な期外収縮などはB〜C判定で経過観察となることもありますが、心房細動や虚血性変化(ST-T異常)を疑う波形はD判定となり、循環器の精密検査が必要です。
心房細動は脳梗塞の重要な原因であり、「脈の乱れを自覚していないのに健診で見つかる」ことが珍しくありません。

胸部X線

胸部レントゲンで影を指摘された場合、多くは過去の炎症の痕や良性の変化ですが、肺炎・結核・肺がんの可能性を否定するために胸部CTなどの追加検査が推奨されます。
当院はCTを院内に備えており、胸部X線の再検査から精密検査までワンストップで対応できます。

泌尿器科専門医が特に伝えたい「尿検査の異常」

健診項目の中でも、尿潜血・尿蛋白・尿糖は「受診先に迷いやすく、放置されやすい」項目だと日々の診療で感じています。

項目 疑われる病気 放置した場合のリスク
尿潜血(+) 膀胱がん・腎がん・尿路結石・腎炎・膀胱炎など がんの発見遅れ、結石による腎機能低下
尿蛋白(+) 慢性腎臓病(CKD)、糸球体腎炎など 腎不全へ進行し、透析が必要になることも
尿糖(+) 糖尿病・腎性糖尿 糖尿病合併症の進行

特に尿潜血は「症状がないから」と放置されがちですが、痛みのない血尿(顕微鏡的血尿を含む)は膀胱がんの初期サインであることがあります
精密検査では、尿細胞診・超音波(エコー)検査を行い、必要に応じてCTで尿路全体を評価します。当院ではこれらの検査を泌尿器科専門医のもと院内で完結できます。

また、40〜50歳以上の男性で健診にPSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)が含まれていた場合、PSA高値の精密検査も泌尿器科の領域です。
PSAについて詳しくは当院のYouTube「命をつなぐ予防チャンネル」やブログでも解説しています。

再検査を後回しにしてしまう心理と、その代償

再検査の受診率は決して高くないことが指摘されています。受診をためらう理由の多くは次のようなものです。

  • 「症状がないから急がなくていい」と感じる
  • 「悪い結果を聞くのが怖い」
  • 「仕事が忙しく、平日に受診できない」
  • 「どの診療科に行けばいいかわからない」
ここが落とし穴です。健診で見つかる異常の多くは「症状が出る前」の段階だからこそ価値があります。症状が出てから受診したのでは、早期発見という健診の意味が失われてしまいます。「怖いから行かない」ではなく、「怖いからこそ早く白黒つける」が正解です。

当院での再検査・精密検査の流れ

所沢いそのクリニックでは、健診後の再検査・精密検査(二次健診)に対応しています。他院・健診センターで受けた結果でも問題ありません。

  1. ご予約:Web予約またはお電話(04-2951-2200)でご予約ください。
  2. ご来院:健診結果票を必ずお持ちください。過去の結果もあれば経年変化の評価に役立ちます。
  3. 診察・検査:結果を確認のうえ、血液検査・尿検査・超音波(エコー)・X線・CT・心電図など必要な検査を行います。
  4. 結果説明と方針決定:治療が必要な場合は当院で開始し、高度な検査・治療が必要と判断した場合は連携する地域の基幹病院へ責任をもってご紹介します。

健診で異常を指摘され、その検査・診断を目的に受診する場合は、原則として保険診療の対象となります。

Web予約はこちら

お電話でのご予約:04-2951-2200

入職時健診で引っかかった場合の職場対応

入社時に受ける「雇入時健康診断」やその後の定期健診は、労働安全衛生法第66条に基づいて事業者に実施が義務付けられているものです。
異常所見があった従業員については、企業側は医師(産業医など)の意見を聴き、必要に応じて就業上の配慮を検討することになっています。

働く方の立場で押さえておきたいのは、次の3点です。

  • D判定=内定取消し・解雇ではありません。健診結果のみを理由とした不利益な取扱いは基本的に認められていません。
  • 会社から再検査の受診や結果の報告を求められた場合は、誠実に対応することがご自身の健康と信頼の両方を守ります。
  • 血圧が非常に高い場合の深夜勤務調整など、状態によっては勤務上の配慮が行われることがあります。これは不利益ではなく、安全に働き続けるための仕組みです。

※就業判定や事後措置の運用は企業ごとに異なります。事業者側の対応については産業医・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. D判定を放置するとどうなりますか?

高血圧・糖尿病・脂質異常症などは自覚症状のないまま進行し、脳卒中・心筋梗塞・腎不全などにつながるおそれがあります。1か月以内を目安に受診してください。

Q. 健診を受けた施設と別の医療機関で再検査を受けてもいいですか?

問題ありません。健診結果票をお持ちいただければ、当院でも再検査・精密検査が可能です。

Q. 再検査は保険が使えますか?

健診で指摘された異常の診断・治療を目的とする受診は、原則として保険診療となります。詳しくは受診時にご確認ください。

Q. 尿潜血で引っかかりました。何科に行けばいいですか?

泌尿器科が専門です。膀胱がん・腎がん・結石などの鑑別のため、尿細胞診・エコー・必要に応じてCTを行います。当院は泌尿器科専門医が院内で検査まで対応します。

Q. 症状が何もないのに受診が必要ですか?

必要です。健診で見つかる異常の多くは症状が出る前の段階であり、この時点で対応することが早期発見・早期治療につながります。

まとめ:C・D・E判定は「体からの早期警告」

  • C判定は生活改善と経過観察、D判定は速やかな再検査、E判定は治療の開始・継続が必要なサインです。
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常・尿検査異常は、いずれも症状がないまま進行するのが特徴です。
  • 尿潜血・尿蛋白・PSA高値の精密検査は泌尿器科の専門領域です。
  • 当院ではエコー・X線・CTを院内に備え、健診後の再検査から精密検査、治療、基幹病院への紹介までワンストップで対応します。

健診結果は「見て終わり」にせず、次の行動につなげることで初めて意味を持ちます。健診結果にお悩みの方は、所沢いそのクリニックへお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
院長 磯野誠

 
略歴
・防衛医科大学校卒業 医師免許取得
・研修医(防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院)
・陸上自衛隊武山駐屯地医務室(神奈川県横須賀市)で総合診療に従事
・専修医(防衛医科大学校病院)で泌尿器科診療に従事
・陸上自衛隊善通寺駐屯地医務室(香川県善通寺市)で総合診療に従事
・防衛医科大学校医学研究科
・デュッセルドルフ大学泌尿器科学講座(ドイツ連邦共和国)で泌尿器科がんの研究に従事
・陸上自衛隊第11旅団司令部(北海道札幌市)医務官
・恵佑会札幌病院泌尿器科、札幌医科大学病理学第一講座で泌尿器科がんの診療・研究に従事
・我孫子東邦病院泌尿器科で女性泌尿器科・前立腺肥大症・尿路結石の診療に従事
・所沢いそのクリニック開院

資格・所属学会
・医学博士
・日本泌尿器科学会 専門医・指導医
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター(手術指導医;前立腺・膀胱、仙骨膣固定術)
・日本内視鏡外科学会 技術認定医
・日本透析医学会
・日本生殖医学会
・日本メンズヘルス医学会 テストステロン治療認定医
・ボトックス講習・実技セミナー(過活動膀胱・神経因性膀胱)修了
・がん診療に携わる医師に対する緩和ケア講習修了
・臨床研修指導医

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