前立腺の数値(PSA値)が高いと言われた

当院では日帰りで前立腺針生検を行っております。

前立腺針生検について

前立腺針生検とは何か

まず、前立腺針生検とは何かというと、主に前立腺がんの診断を目的として行われる精密検査のことです。前立腺がんがあるのかないのかを診断するため、前立腺に針を刺して前立腺組織を採取し、病理組織学検査(採取した組織を顕微鏡で確認する検査)を行います。その結果をもとに、「前立腺がんがあります」とか、「今回の検査ではがんは見つかりませんでした」という診断を行います。さらに、前立腺がんであった場合、Gleason scoreという、がん組織の悪性度を調べることが可能です。

前立腺針生検の説明

どのような方に対して前立腺針生検を行うか

①まだ前立腺がんと確定されていないが、前立腺がんの可能性が高い方

具体的には前立腺のマーカーであるPSA値が高い方であったり、前立腺の画像でがんの疑いがある方、または直腸診(肛門から指を入れる診察)をさせていただいたときに前立腺の硬さに異常が見つかった場合など。

②すでに前立腺がんと診断されている方で、悪性度が高くなっていないかを調べなおす場合

定期的な経過観察の一環として、がんの進行状況を確認するために再度生検を行うことがあります。

前立腺針生検のやり方

当院では日帰りで前立腺針生検を行っております。

検査予定時間の30分前に来院していただき、感染予防目的の抗菌薬を内服していただきます。

検査時間になりましたら、まず腰椎麻酔(下半身のみの麻酔)を行います。ベッドに横向きになって、おへそを見るような丸まった姿勢を取っていただきます。医師が、背骨と背骨の間から細い針を刺して麻酔薬を注入すると、下半身がしびれたような感覚になります。

麻酔薬が入ったところで、仰向けの姿勢になっていただき、麻酔が効いてくるのを確認します。その後、砕石位といって、お産のときのように両足を開脚する姿勢を取っていただき、実際の検査にうつります。

肛門から超音波のプローベを入れて、前立腺を観察します。その後、患者さまの会陰部(陰嚢と肛門の間)から針を刺し、前立腺組織を採取します。このときはすでに麻酔がかかっておりますので、痛みを伴うことはありません。

検査が終了するときに、尿道からカテーテルを挿入します。このカテーテルは翌日に抜去します。なぜカテーテルを入れる必要があるかというと、麻酔の影響で数時間尿が出なくなってしまう方がいらっしゃるからです。

検査が終わりましたら、2-3時間ベッドで安静にしていただきます。その間、適宜血圧などを測定させていただきます。安静の後、問題なくお体を起こして歩けるようになるのを確認させていただいてから、ご帰宅いただきます。

生検で採取した前立腺組織は病理検査(顕微鏡で癌があるかどうかを調べる検査)に提出します。検査結果は約2週間後に当院外来で説明いたします。

前立腺針生検の方法

前立腺針生検の合併症

血尿、血精液

ほとんどの場合、1週間以内に改善します。

感染

当院の方法では今のところ感染の経験はございませんが、1%未満の確率で起こる可能性があります。

痛み

軽い痛みや不快感が残る可能性があります。強い痛みが残ることは極めてまれです。

解説動画

この記事を書いた人
院長 磯野誠

 
略歴
・防衛医科大学校卒業 医師免許取得
・研修医(防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院)
・陸上自衛隊武山駐屯地医務室(神奈川県横須賀市)で総合診療に従事
・専修医(防衛医科大学校病院)で泌尿器科診療に従事
・陸上自衛隊善通寺駐屯地医務室(香川県善通寺市)で総合診療に従事
・防衛医科大学校医学研究科
・デュッセルドルフ大学泌尿器科学講座(ドイツ連邦共和国)で泌尿器科がんの研究に従事
・陸上自衛隊第11旅団司令部(北海道札幌市)医務官
・恵佑会札幌病院泌尿器科、札幌医科大学病理学第一講座で泌尿器科がんの診療・研究に従事
・我孫子東邦病院泌尿器科で女性泌尿器科・前立腺肥大症・尿路結石の診療に従事
・所沢いそのクリニック開院

資格・所属学会
・医学博士
・日本泌尿器科学会 専門医・指導医
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター(手術指導医;前立腺・膀胱、仙骨膣固定術)
・日本内視鏡外科学会 技術認定医
・日本透析医学会
・日本生殖医学会
・日本メンズヘルス医学会 テストステロン治療認定医
・ボトックス講習・実技セミナー(過活動膀胱・神経因性膀胱)修了
・がん診療に携わる医師に対する緩和ケア講習修了
・臨床研修指導医

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