オンライン診療とは?

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンのビデオ通話を使って、ご自宅や職場から医師の診察を受けられる仕組みです。
単なる「健康相談」とは異なり、医師が診察を行い、必要と判断すれば処方箋の発行まで行える、れっきとした保険診療です。
オンライン診療でできることは、大きく次の3つです。
- 診察と処方:症状をうかがい、適切であればお薬を処方します。処方箋はご自宅近くの薬局で使えます。
- 治療方針の指示:「この症状なら一度○○の検査を受けたほうがよい」「様子を見て問題ない」といった、医学的な判断に基づく具体的な指示ができます。
- 継続治療のフォロー:検査で診断がついている病気について、経過を確認しながらお薬を継続します。
新型コロナウイルス感染症の流行を機に一気に普及し、その後、恒久的な制度として整備されました。
「通院の時間が取れない」「遠方に引っ越してしまった」といった理由で治療を中断してしまう——医療の世界で最も避けたい「治療からの離脱」を防ぐ手段として、当院でも重視している診療形態です。
「かかりつけじゃないと受けられない」はもう古い

「オンライン診療を使おうとしたら、かかりつけの医療機関でないとダメと言われて諦めた」——そんな経験をお持ちの方は少なくありません。
たしかに以前は、オンライン診療は原則としてかかりつけ医が行うものとされていました。
しかし、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の見直しにより、現在は一定の条件を満たせば、初めての医療機関でも、初診からオンライン診療を受けられるようになっています。
実際に当院にも、YouTubeなどの情報発信をご覧になった北海道・東北・大阪・九州など遠方の方から、オンライン診療のお申し込みをいただくことがあります。保険証(マイナ保険証)の情報とクレジットカードを登録すれば、全国どこからでも受診が可能です。
※初診からのオンライン診療には安全性の観点から一定のルールがあり、症状によっては対面受診をご案内する場合があります。
オンライン診療が向いているのは、こんな方です
これまでの経験から言うと、オンライン診療の価値が最大になるのは「検査は済んでいる。あとは結果説明と薬だけ」という状況です。具体的には次のようなケースです。
① 診断がついていて、お薬の継続処方が必要な方
たとえば前立腺肥大症や過活動膀胱、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、高血圧などの慢性疾患で、すでに検査を受けて診断が確定し、数値も安定している方。毎回の通院が「薬をもらうためだけ」になっているなら、オンライン診療への切り替えで通院負担を大幅に減らせます。
② 引っ越し・転勤で、これまでの主治医に通えなくなった方
「前の病院でしっかり検査をして、数値も安定している。でも新しい土地でまた一から病院を探すのが億劫で、薬が切れてしまった」——これは治療中断の典型的なパターンです。
これまでの検査データや診療情報提供書(紹介状)があれば、オンライン診療で治療を途切れさせずに継続できます。
③ 仕事や育児が忙しく、通院の時間が取れない方
オンライン診療は、昼休みの10分、外出先、ご自宅のキッチンからでも受診できます。当院では早朝7時台や夕方18時30分以降のオンライン診療、日曜のオンライン診療も行っております。
「忙しくて通院できないから治療をやめてしまう」より、「オンラインで治療を続ける」ほうが、医学的にはるかに望ましい選択です。
④ 遠方の専門医のフォローを受けたい方
一度その医療機関を受診して必要な検査を済ませ、治療方針が決まったあとの経過フォローは、オンライン診療と非常に相性がよい使い方です。
「最初に対面と検査、その後はオンライン」というハイブリッド型が、現時点で最も理にかなった活用法だと考えています。
逆に、オンライン診療に向かない症状
一方で、はっきり申し上げておきたいのは、オンライン診療は万能ではないということです。
画面越しには、検査ができません。
| 症状の例 | オンライン診療の適否 | 理由 |
|---|---|---|
| 血尿が出た | 不向き | 超音波検査・CT・膀胱鏡・採血など、検査をして初めて原因(結石・膀胱炎・腫瘍など)がわかる症状のため |
| 初めての強い痛み・発熱 | 不向き | 緊急性の判断に診察・検査が必要なため |
| 診断がついていない症状で、薬だけ長期間続けたい | おすすめしません | 背後に別の重大な病気が隠れている可能性を検査で否定できていないため |
| 検査済みの慢性疾患の継続処方 | 最適 | 診断と治療方針が確立しており、経過確認と処方が中心のため |
とくに注意していただきたいのが、「検査をしないまま、お薬だけを出し続ける」使い方です。たとえば排尿の症状に対して、前立腺肥大症の薬だけを何年も飲み続けていたが、実は前立腺がんが隠れていた——ということは実際に起こりえます。
私が動画やブログで繰り返し「まず検査を」とお伝えしているのは、このためです。
ただし、向かない症状の場合でも、オンライン診療が無意味というわけではありません。「その症状は今すぐ受診すべきか、様子を見てよいか」を医師に相談できること自体に価値があります。血尿のご相談であれば、「お近くの検査設備の整った泌尿器科を受診してください」と、受診の背中を押す役割を果たせます。
安心して受けられるオンライン診療の条件
オンライン診療は、どの医療機関が実施してもよいわけではありません。国のルールとして、次の点が定められています。
- 医師が厚生労働省の定める研修を修了していること。オンライン診療特有のリスクや適応の判断について学んだ医師だけが実施できます。
- 診察は必ず医師本人が行うこと。医師を介さずスタッフの聞き取りだけで薬が出る、といった運用は認められていません。
オンライン診療を選ぶ際は、「医師がきちんと画面に出て診察してくれるか」、「お薬を処方する場合、何かあったときに対応してくれるか」を一つの目安にしてください。
当院は所定の研修を修了したうえで、院長の磯野誠自身が診察を行っています。
所沢いそのクリニックのオンライン診療|受診の流れ
当院では、泌尿器科・女性泌尿器科・内科のオンライン診療を実施しています。所沢市・東所沢周辺の方はもちろん、入間市・狭山市・東村山市・清瀬市・東久留米市・富士見市・ふじみ野市・川越市など近隣にお住まいで通院時間の取りにくい方、さらに遠方・全国の方もご利用いただけます。
- 予約:当院ホームページの予約ページから「オンライン診療」をお選びください。
- 事前登録:保険証(マイナ保険証)の情報と、クレジットカード等の決済情報をご登録ください。スマートフォンで保険証を撮影してアップロードするだけで完了します。
- 診察:予約時間になったら、スマートフォンまたはパソコンからビデオ通話で診察を受けます。
- 処方・会計:処方が必要な場合は処方箋を発行します。会計は登録済みの決済方法で自動的に行われるため、待ち時間はありません。
過去の検査結果や紹介状、お薬手帳をお手元にご用意いただくと、診察がスムーズです。
よくあるご質問
Q. オンライン診療は初診でも受けられますか?
A. 受けられます。以前は「かかりつけ」であることが原則でしたが、制度の見直しにより、現在は一定の条件のもとで初診から利用できます。ただし症状によっては対面での検査をご案内します。
Q. 処方箋はもらえますか?お薬はどう受け取りますか?
A. 発行できます。ご自宅や職場の近くの薬局でお受け取りいただけます。
Q. 血尿があります。オンライン診療で診てもらえますか?
A. 血尿は検査をして初めて原因がわかる症状のため、オンライン診療での診断・治療はおすすめできません。まず検査設備のある泌尿器科の対面受診をご検討ください。「受診すべきかどうかの相談」としてのご利用は可能です。
Q. 必要なものは何ですか?
A. スマートフォン(またはカメラ付きパソコン)、健康保険証またはマイナ保険証、クレジットカード等の決済手段の3点です。
Q. 遠方に住んでいますが受診できますか?
A. 可能です。オンライン診療は全国どこからでもご利用いただけます。ただし、検査や処置が必要と判断した場合は、お近くの医療機関をご案内します。
まとめ 「検査は対面で、継続はオンラインで」が正しい使い方
オンライン診療は、必要な検査を済ませたうえで、治療を途切れさせないための道具として使うとき、最大の力を発揮します。逆に、検査を省略するための近道として使うと、重大な病気を見逃すリスクがあります。
「忙しくて通院が続かない」「引っ越しで薬が切れそう」「遠方だけど相談したい」——そんな方は、治療を中断してしまう前に、ぜひ一度オンライン診療をご検討ください。


