こんにちは!所沢いそのクリニック院長の磯野誠です。
「健康診断でPSAの数値が高いと言われた…」 「前立腺がんの疑いがあるって言われたけど、どんな精密検査をするんだろう?」
そんな不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は、前立腺がんの診断を確定するために非常に重要な「前立腺針生検(ぜんりつせんはりせいけん)」について、できるだけ分かりやすく解説していきます!
そもそも「前立腺針生検」ってどんな検査?
ひとことで言うと、「前立腺がんがあるかどうかを、組織を採って直接調べる検査」です。
もう少し詳しくお話ししますね。 この検査では、前立腺に非常に細い針を刺して、米粒くらいの小さな組織をいくつか採取します。そして、その組織を「病理組織学的検査」という方法、つまり顕微鏡で詳しく観察するんです。
その結果、「残念ながら、がん細胞が見つかりました」とか、「今回の検査では、がん細胞はありませんでしたよ」といった、前立腺がんの有無を確定診断することができます。
さらに、もし前立腺がんであった場合、「グリソンスコア」という、がん組織の悪性度も同時に調べることができる、とても大切な検査なんですよ。
どんな人がこの検査を受けるの?
前立腺針生検をおすすめするのは、主に以下のような方々です。
前立腺がんの可能性が高いと判断された方
- 血液検査でPSA(前立腺特異抗原)の数値が高い方
- MRIなどの画像検査で、がんと疑わしい影が見つかった方
- お尻から指を入れて前立腺を触る「直腸診」で、硬いしこりが見つかった方
すでに前立腺がんと診断されている方
がんの悪性度が変化していないかなどを、改めて確認する場合にも行われることがあります。
当院の「日帰り」前立腺針生検の具体的な流れ
「検査って入院が必要?」「痛いのは苦手だなぁ…」と心配になりますよね。 ご安心ください。当院では、患者様の負担が少ない「日帰り」での検査を行っています。
当日の流れは、こんな感じです。
Step1:ご来院・準備 検査時間の30分ほど前にクリニックへお越しいただきます。まずは感染予防のために、抗菌薬を飲んでいただきます。
Step2:麻酔(腰椎麻酔) いよいよ検査の準備です。ベッドに横になり、おへそを覗き込むように体を丸めていただきます。背中からチクッと、髪の毛くらいの細い針で麻酔薬を注入します。これが「腰椎麻酔」です。 しばらくすると、下半身がだんだんと痺れるような、温かいような感覚になってきます。痛みを感じなくなるので、リラックスしてくださいね。
Step3:検査開始 麻酔がしっかり効いたことを確認したら、両足を開く「砕石位(さいせきい)」という姿勢をとっていただき、いよいよ検査スタートです。
お尻から超音波(エコー)の機械を入れ、モニターで前立腺の位置を正確に確認しながら、お尻と陰嚢の間にある「会陰(えいん)」という部分の皮膚から、細い針を刺して組織を採取していきます。麻酔が効いているので、痛みはほとんどありません。
Step4:検査後 検査が終わったら、尿道を保護し、おしっこを出しやすくするために、細くて柔らかいカテーテル(管)を入れさせていただくことがあります。これは、麻酔の影響で一時的におしっこが出にくくなることがあるためです。カテーテルは、翌日には外来で抜くことができる簡単なものですので、ご安心ください。
その後、2〜3時間ほどベッドで安静にしていただきます。ふらつきなどなく、問題なく歩けることを確認できたら、その日のうちにご帰宅いただけます。
Step5:結果説明 採取した組織は、専門の機関で詳しく検査されます。 検査結果は、約2週間後に当院の外来にてご説明いたします。
知っておきたい合併症について
どんな検査にも、可能性がゼロではない合併症があります。事前にしっかり知っておくことで、過度に心配せず、落ち着いて対処できます。
出血:検査後、1〜2週間ほど、尿や精液に血が混じることがあります。ほとんどの場合、自然に止まりますので心配いりません。
感染:非常にまれですが、検査後に細菌が入り、発熱などを起こすことがあります。当院では感染予防の抗菌薬を飲んでいただくなど、万全の対策をしています。
痛み・不快感:検査後に、軽い痛みや不快感が残ることがありますが、強い痛みが続くことはほとんどありません。
最後に
今回は、前立腺針生検についてお話ししました。 「精密検査」と聞くと、少し怖いイメージを持ってしまうかもしれませんが、がんを早期に発見し、適切な治療につなげるためには欠かせない、とても重要な検査です。
この記事を読んで、前立腺針生検に対する不安が少しでも和らげば幸いです。 皆様が健康で安全な生活を送れるよう、これからも分かりやすい情報発信を心がけていきます。気になる症状や不安なことがあれば、決して一人で悩まず、お気軽に当院までご相談くださいね。


