血尿が出たら絶対に放置しないで!

院長ブログ

こんにちは、所沢いそのクリニック院長の磯野誠です。

ある日、トイレに行ったら便器が赤く染まっていた…。
健康診断の結果を見たら「尿潜血陽性」と書かれていた…。

ご自身の尿に血液が混じっていることに気づくと、誰もが驚き、そして「何か大変な病気なのでは…」と強い不安を感じるものです。
その不安な気持ち、決して大げさなものではありません。
血尿は、体、特に尿の通り道(腎臓・尿管・膀胱・尿道)で異常が起きていることを知らせる、極めて重要なSOSサインです。

この記事では、泌尿器科の専門医として、「血尿」の原因にはどのようなものがあるのか、なぜ放置してはいけないのか、そして当院でどのような検査を行うのかを、詳しく解説していきます。

まず知ってほしい「血尿」の2つのタイプ

血尿には、目で見て明らかに色の変化がわかるものと、見た目ではわからず検査で初めて判明するものの2種類があります。

1. 肉眼的血尿

ご自身で「尿の色が赤い、茶色い」と認識できる血尿です。鮮やかな赤色から、ピンク色、ワインのような色、コーラのような茶褐色まで、出血の量や場所によって色は様々です。 たとえ「一度きり」で色が元に戻ったとしても、決して「治った」わけではありません。出血した原因が解決したわけではないため、必ず泌尿器科を受診してください。

2. 顕微鏡的血尿(尿潜血)

尿の色は正常に見えますが、顕微鏡で観察したり、試験紙を用いたりすると、尿中に赤血球が混じっている状態です。主に健康診断や人間ドックの尿検査で「尿潜血陽性」として指摘されます。 自覚症状がないため軽く考えがちですが、肉眼的血尿と同じく、がんや結石などの病気が隠れている可能性がありますので、精密検査が必要です。

【特に注意!】 痛みのない血尿は、がんのサインかもしれません

血尿と聞くと、排尿時の痛みや腹痛を伴うイメージがあるかもしれませんが、最も注意が必要なのは、「痛みを伴わない肉眼的血尿」です。
これは、膀胱がんや腎盂・尿管がん、腎がんといった尿路系の悪性腫瘍(がん)の最も代表的な初期症状だからです。がんは初期段階では痛みを伴わないことが多く、血尿が唯一の自覚症状というケースが少なくありません。
40歳以上の方、特に喫煙歴のある方で痛みのない血尿が出た場合は、決して放置せず、大至急、泌尿器科を受診してください。

血尿の原因となる、泌尿器科の主な病気

血尿の原因は多岐にわたりますが、その多くは泌尿器科で診断・治療を行う病気です。

・悪性腫瘍(がん)

膀胱がん: 血尿をきたす原因として最も頻度が高いがんの一つです。特に喫煙は最大のリスク因子とされています。
⇒詳しくはこちら(膀胱がん)

腎がん、腎盂・尿管がん: これらのがんも、初期には血尿以外の症状が出ないことが多く、早期発見には尿のチェックが欠かせません。

前立腺がん: 進行すると尿道や膀胱に影響を及ぼし、血尿の原因となることがあります。
⇒詳しくはこちら(前立腺がん)

・尿路結石(腎結石・尿管結石)

腎臓でできた石が尿管に詰まることで、突然の激しい腰や背中の痛み、吐き気などと共に血尿が出ることがあります。
⇒詳しくはこちら(尿路結石)

・炎症性疾患

急性膀胱炎: 特に女性に多く、頻尿や排尿時痛、残尿感を伴います。
⇒詳しくはこちら(膀胱炎)

急性腎盂腎炎: 膀胱炎から細菌が腎臓にまで達した状態で、高熱や背中の痛みを伴います。

急性前立腺炎: 男性の病気で、発熱や排尿困難、会陰部(えいんぶ)の不快感を伴うことがあります。

専門医による正確な診断が、あなたの未来を守ります

血尿の原因を特定するため、当院では以下のような検査を体系的に行い、正確な診断につなげます。

・丁寧な問診: いつから血尿があるか、色、痛みの有無、既往歴、喫煙歴、ご家族の病歴などを詳しくお伺いします。

・尿検査: 尿中の赤血球の量や形、細菌の有無、がん細胞が混じっていないかなどを調べます。

・超音波(エコー)検査: 体に負担のない検査で、腎臓や膀胱、前立腺の内部をリアルタイムに観察し、結石や腫瘍の有無を確認します。

・膀胱鏡検査(内視鏡): 膀胱がんの診断において、最も重要で確実な検査です。「痛い」「怖い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。当院では、先端が柔らかく細い「軟性膀胱鏡」を使用し、尿道にはゼリー状の麻酔薬を十分に用いることで、患者様の苦痛を最小限に抑えています。検査自体も5分程度で終了します。

・CT検査: 超音波検査で分かりにくい腎臓や尿管の詳細な情報を得るために、CTなどの画像検査を受けていただくこともあります。当院にもCTがございます。

まとめ

血尿は、体からの異常を知らせるサインであり、その裏には治療が必要な病気が隠れている可能性があります。特に、がんの場合は早期発見が何よりも重要です。

「一度だけだったから大丈夫だろう」
「健康診断の尿潜血は、毎年指摘されているから…」
こうした自己判断が、発見の遅れにつながることも少なくありません。
所沢いそのクリニックは、泌尿器科の専門医として、皆様の不安な気持ちに寄り添い、迅速かつ正確な診断と、お一人おひとりに最適な治療を提供することをお約束します。
どんな些細なことでも構いません。尿に関する異常や不安を感じたら、決して一人で悩まず、できるだけ早く私たち専門医にご相談ください。

この記事を書いた人
院長 磯野誠

 
略歴
・防衛医科大学校卒業 医師免許取得
・研修医(防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院)
・陸上自衛隊武山駐屯地医務室(神奈川県横須賀市)で総合診療に従事
・専修医(防衛医科大学校病院)で泌尿器科診療に従事
・陸上自衛隊善通寺駐屯地医務室(香川県善通寺市)で総合診療に従事
・防衛医科大学校医学研究科
・デュッセルドルフ大学泌尿器科学講座(ドイツ連邦共和国)で泌尿器科がんの研究に従事
・陸上自衛隊第11旅団司令部(北海道札幌市)医務官
・恵佑会札幌病院泌尿器科、札幌医科大学病理学第一講座で泌尿器科がんの診療・研究に従事
・我孫子東邦病院泌尿器科で女性泌尿器科・前立腺肥大症・尿路結石の診療に従事
・所沢いそのクリニック開院

資格・所属学会
・医学博士
・日本泌尿器科学会 専門医・指導医
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器ロボット支援手術プロクター(手術指導医;前立腺・膀胱、仙骨膣固定術)
・日本内視鏡外科学会 技術認定医
・日本透析医学会
・日本生殖医学会
・日本メンズヘルス医学会 テストステロン治療認定医
・ボトックス講習・実技セミナー(過活動膀胱・神経因性膀胱)修了
・がん診療に携わる医師に対する緩和ケア講習修了
・臨床研修指導医

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